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 3月は自殺が一番多い。年度末の繁忙期や返済、支払い、春休み、家族旅行、受験勉強。春色のイメージを持たせながら体力と気力を削りとっていく仕事。桜の開花を待つこの時期に、地獄みたいな気持ちで生きている人が一番多いとは悲しい。景色が美しくあればあるほど、現実に心が老いていかれることもあるだろう。

 自分の誕生日についてよく考える。私の生まれた日は何となく自殺者が多い気がする。だって3月5日ほど整合性のある日は無い。7の段で割り切れるし。7と5でできている素数だし。ひな祭りとかいうほとんどの人に関係ない行事があって、売れ残った和菓子がスーパーに並ぶ頃だ。それなのに桜はまだ咲かないし寒い。生まれ変わっても3月5日生まれな気がする。前世では3月5日に死んだのだろうか。

 誕生日とか記念日は趣がある。同じ日というのは、太陽から見てほぼ同じ座標にいるのだ。だから生まれた瞬間に生まれた場所に立っていれば、すっかり座標が重なることになる。だからどうということは無いんだけど、1年前と同じ場所にいるというのは不思議でおもしろいことだと思う。寿命を嘆く人もいるが、生きている間に地球が太陽の周りを何周回ったかってだけだ。月だってあんなに地球の周りを奔放に回っているのに、自分が住んでいる星のこととなるとそう考える人は少ないらしい。面白いね。

 最近、疲れというのがこういうことかと分かった。毎日歩いているので単純に身体が疲れているのもあるけど、入眠がちょっと難しくなる。心配してほしいわけじゃないので大げさに捉えないでほしいし、大げさに書いているとも思わないでほしい。私は人が疲れたと言うのを許さない人では無いので、私が疲れるというのも許してほしい。

 体だけ先に寝てしまう。それで自発呼吸も浅くなるので、金縛りになりつつ苦しい状態に3回くらいなる。で、呼吸の苦しさを無視しつつ頑張って目を閉じるんだけどがっつり幻聴が聞こえる。大体はその日聞いた言葉とかが反芻していて、前に爆発音が聞こえるって書いたときみたいに、静かなはずの上階からものすごい物音がなっているように聞こえたりする。幻聴って分かってるので大丈夫です。ただ幻聴って頭の中で聞こえる声なので、防ぐ方法がないからうるさくて眠れないのはしんどい。統合失調症は特有の幻聴がある病気なのだが、これでずっと悪口が聞こえたら本当に辛いだろうなと思う。

 そんなこんなでも頑張って寝るとすぐに夢を見るのだけど、大体悪夢だしすぐ起きるので夢は短い。それでまた浅く入眠して同じ夢を見る。短い鉛筆が何本もあるみたい。今日の夢では、路地の奥から男の人が歌いながら自転車でやってくる夢なんだけど、その歌詞を自分で唱えると毎回すごく息苦しくなった。人類が聞いてはいけない言葉だったと思い込んではっと目が覚めた。忘れてしまったけど、「本当のことを言う時は」とか「どうせなら」とか歌詞に入ってた気がする。

 大学生の時も金縛りパレードみたいな時期があったけど、あれは疲れてたんだな。自分は疲れると睡眠に支障があることが分かったので、気を付けようと思う。